クラウドプロキシとオンプレプロキシの違いは?

クラウドプロキシとオンプレプロキシは、どちらもインターネット接続時のセキュリティを強化し、通信を中継する役割を果たしますが、設置場所や運用方法、対応範囲に大きな違いがあります。以下にその違いを整理します。

基本的な違い

項目クラウドプロキシオンプレプロキシ
設置場所クラウド上に構築され、物理的なハードウェアは不要。企業内のデータセンターやネットワーク上に物理的に設置。
運用管理クラウド事業者が管理(障害対応やアップデートなど)。自社で管理が必要(死活監視、故障対応、パッチ適用など)。
スケーラビリティトラフィック量に応じて柔軟にスケール可能。トラフィック増加時には機器の増設が必要。
導入コスト初期費用が抑えられ、運用コストも平準化しやすい。機器購入や設置費用が発生し、トラフィック増加時の追加投資が必要。
対応範囲社内外問わず、リモートワークやモバイル環境にも適用可能。主に社内ネットワーク内での利用が中心。社外からの利用にはVPNなどの追加構成が必要。
セキュリティ機能SSLインスペクションやゼロトラストセキュリティをベースとした高度な機能を搭載していることが多い。基本的なアクセス制御やWebフィルタリング機能が中心。高度な機能には追加設定や製品導入が必要。

メリットとデメリット

クラウドプロキシ

  • メリット
    • 柔軟なスケーラビリティ:トラフィック増加時でも通信速度低下を回避可能23
    • 運用負荷軽減:クラウド事業者による管理で、自社のIT部門の負担を軽減37
    • リモートワークやモバイル環境への適応:社外から直接アクセス可能で、ゼロトラストセキュリティポリシーを適用できる25
  • デメリット
    • 障害発生時の対応:クラウド事業者に依存するため、自社で即時対応できない場合がある7
    • サービス更新への適応:クラウド事業者によるアップデートに合わせて業務プロセスを変更する必要がある場合がある7

オンプレプロキシ

  • メリット
    • 自社管理による制御:カスタマイズ性が高く、自社要件に合わせた設定が可能68
    • データ保護:物理的な隔離環境で運用されるため、特定のセキュリティ要件を満たしやすい4
  • デメリット
    • スケーラビリティの制限:トラフィック増加時には機器増設など追加投資が必要23
    • 高い運用負荷:死活監視や故障対応など運用管理に多くのリソースを割く必要がある67
    • リモートアクセスへの課題:VPNなど追加構成が必要で、通信遅延やネットワーク負荷増加の原因となる場合がある67

選択基準

  • クラウドプロキシが適している場合
    • リモートワークやモバイル環境への対応が重要。
    • 運用負荷を軽減したい。
    • トラフィック増加時でも柔軟に対応したい。
  • オンプレプロキシが適している場合
    • 自社環境内で完全な制御を行いたい。
    • 特定のセキュリティ要件(物理的隔離など)を満たす必要がある。
    • ネットワーク構成変更を最小限に抑えたい。

まとめ

クラウドプロキシは柔軟性と運用効率に優れ、特にリモートワークやモバイル環境への対応力で優位性があります。一方、オンプレプロキシは自社管理による制御性と特定要件への適応力で強みがあります。それぞれの特性を理解し、企業のニーズやIT環境に応じて選択することが重要です。

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