SSEとSASEの違いは?

SASE(Secure Access Service Edge)とSSE(Security Service Edge)は、どちらもゼロトラストアーキテクチャを実現するための重要なフレームワークですが、その範囲と目的に違いがあります。以下に両者の違いを整理します。

SASEとSSEの主な違い

項目SASESSE
定義ネットワークサービスとセキュリティサービスを統合した包括的なクラウドベースのアーキテクチャ147セキュリティサービスに特化したSASEのサブセット147
対象範囲ネットワーク(SD-WANなど)とセキュリティ(SWG、ZTNA、CASBなど)を統合134セキュリティ機能のみ(SWG、ZTNA、CASBなど)を提供し、ネットワーク機能は含まない478
主な構成要素– SD-WAN
– SWG(セキュアWebゲートウェイ)
– CASB(クラウドアクセスセキュリティブローカー)
– ZTNA(ゼロトラストネットワークアクセス)
– FWaaS(Firewall as a Service)36
– SWG
– CASB
– ZTNA14
利用目的ネットワークとセキュリティを統合して、あらゆる場所から安全かつ最適化された接続を提供36セキュリティサービスに特化し、クラウドやインターネット接続の保護を強化47
導入シナリオ包括的なネットワーク・セキュリティ統合が必要な場合36既存のネットワークインフラを維持しつつ、セキュリティ機能を強化したい場合47

具体例

  • SASE: リモートワーク環境で、ユーザーがどこにいても安全かつ効率的に企業リソースへアクセスできるよう、ネットワーク最適化とセキュリティを一体化。
  • SSE: クラウドアプリケーションやインターネット利用時のセキュリティ強化に特化し、既存のSD-WANなどのネットワークインフラと併用可能。

選択基準

  • SASEが適している場合:
    • ネットワークとセキュリティの両方を包括的に管理したい。
    • 新規または既存インフラ全体を統合的に刷新する計画がある。
  • SSEが適している場合:
    • 既存のネットワークインフラはそのまま活用しながら、セキュリティ機能を強化したい。
    • 段階的なゼロトラスト導入を目指している。

まとめ

SASEはネットワークとセキュリティを包括的に提供する一方で、SSEはその中でもセキュリティ機能に特化しています。企業のニーズや既存インフラ状況によって使い分けることが推奨されます。

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